開発組織独自のラジオ配信舞台裏:設計から運用まで - XICA Tech blog

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株式会社サイカの開発本部が提供する技術ブログです。データサイエンスに関する取り組みや日々の開発のナレッジをお送りします。

開発組織独自のラジオ配信舞台裏:設計から運用まで

はじめに

こんにちは、サイカDevHRの柏木(@rincho_1102)です。

前回のブログでは、「サイカ DevHR が取り組む開発組織のコミュニケーションデザイン」と題して、サイカ開発組織のインナーコミュニケーションの全体感を取り上げました。

今回は、より具体の施策「社内ラジオ」の取り組みをご紹介します。 自身の振り返りも兼ねて、具体のHow toの部分まで深ぼれたらと思いますので、 同様の取り組みをしている方やこれから配信を考えている方の参考に少しでもなれば幸いです。

なお、本取り組みは2021年秋から2年以上継続しておりますが、今回は主に2022年ごろの取り組みを振り返っていきます。 一部現在と異なる描写や当てはまらない部分があることを予めご承知おきください。

社内ラジオ開始の背景

まず初めに、社内ラジオを開始した背景について簡単に触れておきたいと思います。

社内ラジオを開始したのは2021年11月。新型コロナウイルス流行の影響が色濃く残っていた時期。 新しいメンバーが次々に入社してくる、かつオフラインで交流する機会をつくることがなかなか難しいなかで、 入社メンバーのコミュニケーション面でのオンボーディングや、雑談的なゆるいコミュニケーションの場づくりに課題を感じていました。

「メンバーの日常に程よく溶け込み、コミュニケーションのハブとなるような媒体をつくりたい」 そんな想いが形にしたのが、社内ラジオプロジェクトです。

2024年1月現在、累計放映回数は74回になりました!

設計と運用

ここからは、社内ラジオをどのように設計し配信していたかについて、具体をご紹介していきます。

基本設計

名前はズバリ「XICA.fm」、出演者はMCとゲスト1-2名。 お昼を食べながらでも気軽に聞いてほしいという想いをこめて、配信日程は毎週木曜日のお昼の時間(12時〜13時)としました。

コンテンツ

当時の課題であった「入社メンバーのコミュニケーション面でのオンボーディング」を念頭に、 組織内の個人のパーソナリティにフォーカスしたテーマを中心に配信を行っていました。 時よりアドバイザリーボードのメンバーや経営陣、他部署のメンバーをゲストにお迎えしたり、 「趣味を語り合う会」のような変化球も取り入れて、 1つの番組としての一貫性を維持しつつも飽きさせないコンテンツづくりを意識していました。

配信アーキテクチャ

配信のアーキテクチャは司会とゲストが話しながら、BGMを流せるようにする前提で組んでいます。 ミキサーを利用していて、

  • 司会者のマイク入力
  • ゲストのマイク入力
  • BGM

をそれぞれ別系統でコントロールしたいという意思で組んでいます。

  • 配信設定を行うPC環境
  • マイクからの音声入力のコントロール
  • BGMの操作

など配信時に必要な作業をそれぞれ分けることで、トラブルやボリュームコントロールの対応を簡単にしたいという目的があります。

同じ部屋に出演者が揃う場合

PCがBGM、それぞれのラインにマイクという形で別系統としてボリュームがコントロールされます。 BGMのボリューム調整はミキサーのPCボリュームノブで調整が可能です。 BGMを別コントロールで入力したい場合は、AUX入力でPCやスマートフォンタブレットを接続してそちらからBGMを再生することができます。 この際、ミキサーで全てのボリュームコントロールが別軸として可能になります。 配信PCとBGMが同系列の場合はPC内の音楽再生アプリでボリュームの調整を行います。

出演者がリモートで出演する場合

ミキサーからは司会者のマイクのボリュームをコントロールする形になります。 BGMの入力をスマホや別PCから入力する場合はミキサーからコントロールが可能になります。 ゲストの声は、配信用PCからになるのでミキサーでコントロールができないのが注意点になります。

工夫していたこと

次に、社内ラジオの継続や活性化、クオリティUPに役立ったポイントをいくつかご紹介します。 社内ラジオを運用する際のひと工夫として、参考になるかもしれません。

ゲストのキャンセルに備え、できる限り穴をつくらない

急なアポが入った・体調が優れない、こういった理由でゲストの方の出演が難しくなってしまうことがあります。 元々このような時は無理をせずスキップしていたのですが、できる限り多くの人に視聴してもらいたい!という意図があるなかで、 スキップはラジオ視聴の習慣化に少なからず影響を及ぼすのではないかと考え、できる限り穴を開けないようにしていました。 ゲストがキャンセルになった時の代打ゲストをストックしておいたり、「配信担当者が語る会」を放映するなど、 バックアッププランをいくつか考えておくことで、意外と無理なくカバーすることができました。

オーディエンスが参加できる場をつくって盛り上げてもらう

これは設計次第ですが、私たちのラジオはコミュニケーションの場づくりが1つのテーマだったため、 slack上の雑談チャンネル#dev_gayaに放映中につぶやきや質問を書き込んでもらうことにしていました。 一方通行の配信より、やっぱり反応があった方が楽しいですよね。 ゲストもMCもコメントがつくことでテンションが上がってトークがより捗るので、ライブ配信型のラジオでは非常におすすめです。

放映中の#dev_gayaチャンネルはこんな感じ

音楽にこだわって雰囲気を出す

ラジオらしさを出したい!ということで、音楽の使い方には比較的こだわりを持っていました。 オープニング→トーク→エンディング、と音楽を切り替えるだけでぐっと雰囲気が出ますし、 難易度が上がりますが、フェードインやフェードアウト、あおりなどのボリュームコントロールをするとさらに本格的になります。 音楽素材は、Epidemic Soundを有償化して利用していました。

ボリュームコントロール

配信をしていく上で必ずぶつかるのがボリューム問題です。 配信側と視聴者側で音のバランスやボリュームが違ってしまい、司会者の声が聞こえない、ゲストの声が聞こえない、などのトラブルが起きます。 どの音声がどこでどう制御されているのかを把握し、バランスを調整するためにどこで制御するかを回数を重ねていきました。 特に配信アプリ側で自動調整される機能とミキサーが喧嘩してしまうケースがありBGMがカットされてしまったり、ゲストがオンラインで参加するケースでゲスト側のPCでマイク入力のボリュームが絞られていると声が遠くなるといったことは開始当初では頭を悩ませました。 これらを踏まえて、各種設定をどうするかなど一定のルールを設けて配信設定を決めて運用しています。

ロゴやサムネイルを活用する

せっかくの社内メディア。認知・定着するための広報活動は非常に重要です。 「XICA.fm」ではAIのロゴ作成サービスを使ってロゴを作成し、回ごとにゲストの写真をいれたサムネイル画像をつくりました。 画像を入れて告知の投稿をするだけで目を惹きますし、アーカイブを保存するページにも活用できます。 注目度を上げたり、1つの媒体としてブランディングするという観点でコスパが良い方法だと思います。

ロゴを使ったサムネイル画像

定期的に振り返り、見直す機会をつくる

この手の取り組みはどうしても「継続すること」に一生懸命になってしまいがちなのですが、 それだけで終わらず、組織の課題や状況に常に寄り添ったものでありたいと考えています。 ラジオ配信の目的やコンセプト、運用については半期に1度くらい見直しの機会を持ち、少しずつアップデートを重ねています。 アンケートをとって、視聴状況や人気コンテンツのファクトチェックをすることも非常に有用です。

最後に

ここまで主に2022年の取り組みを中心に記載しました。 2024年1月現在、社内ラジオは以下のように形を変えて発展継続しています。

  • 「XICA.fm」は開発本部内ラジオから、全社ラジオに発展
  • 開発本部ラジオは「devgaya.radio」に名称変更リニューアル、月2回に頻度を落として継続

これからも組織の課題や状況に寄り添いながら、形を変えていくことになるでしょう。

まだまだサイカの社内ラジオは発展途上であり、これからも他社さんの取り組み等を参考にしながら進化していければと考えております。 みなさんの取り組み例やTipsなど、ぜひコメント等で教えていただければ幸いです。

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